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ブレイクスルーを起こす先端製品のご提案半導体・MEMS プロセス装置

MBEセル(蒸着源)

窒化物向け高耐性エフュージョンセル

RIBER(リベール)

マスターソース

MSシリーズ

RIBER社製マスターソース(MSシリーズ)は、低メンテナンスコストと高性能を兼ね備えた特殊設計のるつぼを搭載したエフュージョンセルです。熱分解グラファイト(PG)製のルツボは、ガリウムやインジウムに対する濡れ性が低いため、非常に低い膜中欠陥密度を実現します。ガリウムやインジウムは、従来のPBNるつぼでは窒素雰囲気下でオーバーフローしやすい傾向があります。PGルツボを用いたマスターソースは、オーバーフローを抑制できるため、窒化物アプリケーションに最適なIII族エフュージョンセルです。

SERIES LINEUP

シリーズラインナップ

製品特徴

マスターソース(MSシリーズ)

マスターソース(MSシリーズ)は、研究用途から量産まで対応したワイドレンジなセルサイズ(ルツボ容量25 cc~5800 cc)を揃えており、低~中蒸気圧を有する材料の分子線エピタキシャル成長に最適なエフュージョンセルです。主に窒化物成長におけるIII族材料(ガリウム、インジウム)に使用されますが、銀やフッ化リチウム、カドミウムテルルのようなエキゾチックな材料の蒸着源としても適用可能です。
 
マスターソースのルツボ(MSルツボ)は、熱分解グラファイト(Pyrolytic Graphite)製であり、原料を投入するリザーバとエフュージョンノズルで構成されています。エフュージョンノズルはスクリューキャップ式となっており、リザーバと簡単に装脱着することができます。エフュージョンノズルの形状は、ビームフラックスの均一性と材料効率が最適化されるよう設計されています。円筒形のリザーバーは、インゴット形状での充填が可能となるため、原料の表面酸化を防ぎ、材料品質が向上します。
 
マスターソースはこれら革新的な設計により、従来のクヌーセンセル(Kセル)と比較して、ビームフラックス分布をより精密に制御し、各MBE装置における材料効率と均一性向上に貢献することができます。
 

適用蒸着材料

Ga、In、Ag, LiF, CdTe他

特徴

・大容量チャージ(25cc~5800cc)
・熱分解グラファイトによる再利用可能なルツボ
・優れたフラックス安定性と均一性
・高耐久性、高信頼性、低メンテナンスコスト
・窒化物成長におけるIII族エフュージョンセルとして最適

マスターソース概要図

 

製品スペック表

セルモデル MS240 MS440 MS540
ルツボ容量 40 cc 85 cc 130 cc
取付フランジ径 CF35 CF63 CF100
温度安定性 ±0.2 ℃
ルツボ形状 円柱形
ルツボ材料 熱分解グラファイト
ルツボ加熱用フィラメント Taワイヤー
熱電対タイプ Cタイプ
動作温度範囲 100~1150 ℃
最大アウトガス温度 1350 ℃
最大消費電力/ルツボ加熱用 250 W 400 W 850 W
制御電源 2直流電源/2温度コントローラ
備考)
※1.  製品スペック表に記載があるのは一部のモデルです。詳しくはダウンロード資料をご参照下さい。   
※2.  モデルによっては、水冷シールドが取り付け可能です。詳しくは伯東までご相談下さい。
 
 

分子線エピタキシャル法の原理

分子線エピタキシャル法による分子線エピタキシー(MBE)は、エフュージョンセル(クヌーセンセル等)内のるつぼに入れた原料を加熱蒸発させ、基板上に到達させて結晶成長(エピタキシャル成長)を行う真空蒸着法の1つです。加熱蒸発の方法には抵抗加熱方式や電子ビーム照射方式などがあります。MBE は真空蒸着法の1つですが、MBEの特徴としては、チャンバ内を真空に引き,チャンバの周りを液体窒素で冷却することによってチャンバー圧力を高真空状態(~10-9torr 程度)に保ち蒸着を行うため、蒸発ガ ス分子の平均自由工程が長く、ガス分子はビーム状の分子線となって他の分子に衝突することなく基板表面に到達します。超高真空下にて成膜を行うため、残留ガスの影響を少なく抑える事ができ高品質の結晶膜が得られます。また膜厚の精密な制御も可能です。さらに RHEED(反射高速電子回折)等の結晶モニター等を用いて in-situ でモニターしながら、結晶成長条件へフィード バックすることが可能であり、このMBEの優れたフラックス制御性、界面の組成が原子レベルで急峻な組成を作製することができる為、化合物半導体デバイス向け結晶成長などに用いられます。

    

Item# Description
a メインクライオパネル(シュラウド)
b セルデバイダー
c プラテンマニュピレーターおよびクライオパネル
d 液体窒素フィードスルー
e 分子線セル(蒸着源)
 
 

製品メーカー案内

RIBER
 
RIBER社(フランス)は、1964年に設立された分子線エピタキシャル成長装置(MBE装置)およびコンポーネント(MBEセル・蒸着源)を製造・販売する世界シェアNo.1のサプライヤーです。
 
これまで主にGaAsやInP、GaN等の化合物半導体材料の成膜用途として累計約800台の装置を世に送り出してきました。現在、世界の主要大学や公的研究機関、デバイスメーカー、エピファウンドリー各社がRIBER社のMBE装置を運用しており、データ通信、5G/6G、VCSELレーザー、フォトニクス、センサー、3Dセンシングなど様々な最先端分野の研究または生産ツールとして貢献しています。
 
日本国内では、伯東株式会社が総代理店として、同社製品の販売と保守サービスを提供しております。

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