Hakuto

ブレイクスルーを起こす先端製品のご提案半導体・MEMS プロセス装置

MBEセル(蒸着源)

大容量・高安定性III族エフュージョンセル

RIBER(リベール)

インサートセル

ABIシリーズ

RIBER社製インサートセル(ABIシリーズ)は、長時間安定した分子線ビームを生成するために専用設計されたガリウム・インジウム用エフュージョンセルです。インサートセルは、円柱形ルツボの開口部に"インサート"と呼ばれる独立温度制御されたフィラメントを組み合わせて運用します。このユニークな設計により、大容量チャージが可能となり、成長キャンペーン期間を大幅に延ばすことができます。同時にビームフラックスの優れた安定性と再現性を実現します。

SERIES LINEUP

シリーズラインナップ

製品特徴

インサートセル(ABIシリーズ)

インサートセル(ABIシリーズ)は、中蒸気圧のIII族材料であるガリウムとインジウムのエピタキシャル成長に最適です。円柱形ルツボの開口部に”インサート”と呼ばれる独立温度制御されたフィラメントを組み合わせて運用します。従来のコニカル(円錐)型るつぼを搭載するクヌーセンセル(Kセル)と比較すると約4倍の充填量があり、成長キャンペーンを大幅に延ばすことができます。また、大きなインゴット形状での原料投入が可能となるため、原料表面の酸化を防ぎ、結晶品質が向上します。
 
インサートセルは、ビームフラックスの長期安定性とランtoランの安定性を備えており、連続40時間でのフラックス変動率は1%未満です。また、一般的なコニカル型クヌーセンセルと比較して、成膜均一性の向上および膜中欠陥密度が低減され、結晶品質の向上につながります。
 
インサートフィラメントの設計により、時間が経過しても原料の蒸発面積は変化しないため、成長キャンペーンを通してビームフラックスが安定します。また、インサートフィラメントは、材料の凝縮やドロップレット形成を防止するために独立して加熱制御されます。これにより、一般的なGaAs成長に見られるオーバルディフェクトを減少させることが可能です。
 

適用蒸着材料

Ga、In

特徴

・大容量チャージ(85cc~3000cc)
・類のないビームフラックス安定性と再現性
・優れた成膜均一性
・独立温度制御されたるつぼとインサート
・低欠陥(パーティクル)

ABI1000におけるGaフラックス安定性データ

 

インサートセル概要図

製品スペック表

セルモデル ABI85 ABI500 ABI1000
ルツボ容量 85cc 500cc 1000cc
取付フランジ径 CF35 CF100 CF150
温度安定性 ±0.5 ℃
ルツボ形状 円柱形
ルツボ材料 PBN
ルツボ加熱用フィラメント Taワイヤー Taフラットフィラメント
インサートフィラメント PBN密封型PGフィラメント
熱電対タイプ Cタイプ
動作温度範囲 300~1250 ℃
最大アウトガス温度 1350 ℃
最大消費電力/ルツボ加熱用 500W 1000W 1600W
最大消費電力/インサート 300W, 300W 1200W
制御電源 2直流電源/2温度コントローラ
 
備考)
※1.  製品スペック表に記載があるのは一部のモデルです。詳しくはダウンロード資料をご参照下さい。   
※2.  モデルによっては、水冷シールドが取り付け可能です。詳しくは伯東までご相談下さい。
 
 

分子線エピタキシャル法の原理

分子線エピタキシャル法による分子線エピタキシー(MBE)は、エフュージョンセル(クヌーセンセル等)内のるつぼに入れた原料を加熱蒸発させ、基板上に到達させて結晶成長(エピタキシャル成長)を行う真空蒸着法の1つです。加熱蒸発の方法には抵抗加熱方式や電子ビーム照射方式などがあります。MBE は真空蒸着法の1つですが、MBEの特徴としては、チャンバ内を真空に引き,チャンバの周りを液体窒素で冷却することによってチャンバー圧力を高真空状態(~10-9torr 程度)に保ち蒸着を行うため、蒸発ガ ス分子の平均自由工程が長く、ガス分子はビーム状の分子線となって他の分子に衝突することなく基板表面に到達します。超高真空下にて成膜を行うため、残留ガスの影響を少なく抑える事ができ高品質の結晶膜が得られます。また膜厚の精密な制御も可能です。さらに RHEED(反射高速電子回折)等の結晶モニター等を用いて in-situ でモニターしながら、結晶成長条件へフィード バックすることが可能であり、このMBEの優れたフラックス制御性、界面の組成が原子レベルで急峻な組成を作製することができる為、化合物半導体デバイス向け結晶成長などに用いられます。

    

Item# Description
a メインクライオパネル(シュラウド)
b セルデバイダー
c プラテンマニュピレーターおよびクライオパネル
d 液体窒素フィードスルー
e 分子線セル(蒸着源)
 
 
 

製品メーカー案内

RIBER
 
RIBER社(フランス)は、1964年に設立された分子線エピタキシャル成長装置(MBE装置)およびコンポーネント(MBEセル・蒸着源)を製造・販売する世界シェアNo.1のサプライヤーです。
 
これまで主にGaAsやInP、GaN等の化合物半導体材料の成膜用途として累計約800台の装置を世に送り出してきました。現在、世界の主要大学や公的研究機関、デバイスメーカー、エピファウンドリー各社がRIBER社のMBE装置を運用しており、データ通信、5G/6G、VCSELレーザー、フォトニクス、センサー、3Dセンシングなど様々な最先端分野の研究または生産ツールとして貢献しています。
 
日本国内では、伯東株式会社が総代理店として、同社製品の販売と保守サービスを提供しております。

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