研究開発向け画像解析ソフトウェア
メディアサイバネティクス
Image-Pro 11.1
2D・3D 画像解析ソフトウェア
Media Cybernetics社 (本社米国メリーランド州) は1981年に設立、画像取得・画像解析・画像管理のソフトウェアを開発し、画像に関するニーズに貢献しています。ロングセラーの、画像解析ソフトウェアImage-Pro Plusは、数々の科学誌の賞を受賞し、世界で15万件以上の学術発行物に掲載されました。 シリーズ最新版 Image-Pro11.1の、輝度・色成分の2値化測定、スマート抽出(機械学習)搭載の2D/3D画像解析パッケージです。
SERIES LINEUP
シリーズラインナップ-
2D自動測定パッケージ
Image-Pro 11 2D
画像の輝度、色成分による2値化測定です。 画像のコントラストが明瞭であれば、自動測定、マクロによる自動化が可能です。 粒子、繊維、細胞数、染色面積率測定、動体追跡、輝度追跡等、幅広いアプリケーションに適しています。
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2D/3D自動測定パッケージ
Image-Pro 11 3D
共焦点顕微鏡、蛍光画像、SEM、FIB、X 線CT、MRI 等の連続画像の3D測定追加モジュールです。iso-surface(等値面)での体積・表面積測定、任意断面での2D測定などができます。
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アプリケーション別プロトコル
プロトコルモジュール
新機能の、アプリケーション別プロトコルモジュールです。プロトコルとは、操作画面に3ステップ手順のナビゲーションが表示され、アプリケーション別の特殊な設定も簡単に実行できます。 画像解析の手順・設定が分からない、担当者が異動して操作手順が分からないというお悩みを解決します。
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光学系デコンボリューション
AutoQuant Module
共焦点・蛍光顕微鏡画像向けデコンボリューション機能追加モジュールです。画像のピントのぼけ部分に点象分布関数(PSF)と逆演算を行い鮮明な画像を取得できます。
輝度の2値化測定
Image-Proシリーズは、画像の輝度・色成分(RGB)による2値化を利用した科学・産業向けパッケージソフトウェアです。 「画像の2値化」とは、画像の輝度値を利用して、測定対象を抽出して測定(定量化)することです。
例えば、8bitモノクロ画像の場合、黒の輝度は0、白の輝度が255、グレイはその間の125付近の値で、各ピクセルが数値データを所有しています。下図のように黒い領域を測定したい場合は、2値化の閾値を100と設定すると、黒色の輝度値 0-100の数値データを所有しているピクセルが対象物として抽出され黒色領域の数、直径、面積などを測定できます。この時、白色の輝度値101-255を所有するピクセルは背景と設定されます。
カラー画像の場合は、RGB成分で閾値を決定して対象物を抽出・測定します。
コントラストが低く、輝度の2値化が困難な画像には、輝度の均一化、コントラスト改善、ノイズ除去等の画像処理を活用すると改善できます。こちらの画像は資料の厚みムラでできた輝度ムラを均一化する画像処理です。
また、Image-Proのスマート抽出機能は、対象物の輝度、背景、色合い等を、ユーザーが対象、背景を数点指定するとソフトウェアが学習して抽出する機能を搭載しています。
微妙なコントラストや、全体的な明るさが異なる画像間の測定に便利にお使い頂けます。
その他、動体追跡、輝度追跡等の変化量測定、画像の繋ぎ合わせ、焦点合成画像、画像比較等幅広い機能を搭載しています。
各種事例はこちらのページをご参照ください。https://mc-hakuto.jp/solution/knowhow.htm
また、操作方法はYoutubeをご参照ください。https://www.youtube.com/@hakuto_spc/videos
3ステップ簡単操作プロトコル
新機能として、アプリケーション別プロトコル(追加モジュール)がリリースとなりました。プロトコルとは、Image-Proの操作画面に測定手順のナビゲーションが表示される機能で、3ステップ手順で簡単に測定できます。
画像解析の手順・設定が分からない、担当者が異動して操作手順が分からないというお悩みを解決します。
Image-Pro 11には34 のプロトコルがあり、4種類のモジュールをオプションで追加頂けます。
1. 基本プロトコル:親子測定(Aの中のB測定)、数、面積率の測定プロトコルは、2D測定パッケージに標準搭載しています。
2. 細胞生物学プロトコル:Cell Count、Confluence、Live/Dead、Transfectionなどの 生物試料向け15プロトコル。
3. 高度な細胞生物学プロトコル :血管新生、共局在化、神経突起伸長、創傷治癒などの生物試料向けの応用7プロトコル。
4. 材料工学プロトコル:粒子サイズ、穴サイズ、繊維の幅、長さ、膜厚測定など、材料向け9プロトコル。
3D機能
1. 3D機能追加モジュール
FIB-SEMやX線CT等の連続断面画像を積層した3D構築、測定用モジュールです。
連続画像の輝度の均一化、位置合わせ等の3D構築の前処理機能も搭載しています。
■3D構築・解析の用途
① 立体形状の可視化:円柱、球、断面では不明なZ軸方向の形状が分かる。
② 表面形状の可視化: 凹凸の有無、空隙の有無が可視化できる。
③ 断面加工・観察:X-Y断面画像から、任意面の断面加工・観察ができる。
④ 3D測定:観察像から体積、表面積、Z軸長さ等の定量化ができる。
3D構築後は、任意の角度の断面作製、断面の切り出しが可能です。また、チャンネルの異なる連続画像を3Dで重ね合わせることもできます。
2. AutoQuant Deconvolutionモジュール
■デコンボリューションとは
蛍光顕微鏡で蛍光染色された細胞などの断面を観察すると、例えば断面そのものが左下の様な形状をしている場合でも接眼レンズから見ると、ピントの合ってい ない部分に起因するぼけが重なってしまい、右下の様に見えてし まいます。これは回折などの様々な要因に拠って光が広がってしまうためです。
厚みのある標本を観察する必要のある顕微鏡では、 光の波長より小さな輝点が三次元的にどう広がるかを表す点像分布関数 (Point Spread Function、以下 PSF と略す) が光学系の特性を表す重要な数学的なモデルとして使われています。
撮影された顕微鏡画像には前節で述べた様なピントの合っていない部分に起因する(PSFに起因する)ぼけが含まれていますが、この様なぼけの有る画像と PSFから上記とは逆の演算(デコンボリューション演算)を行う事で元の画像を復元できる、あるいはぼけを取り除ける事からこの様な処理をデコンボリュ-ションと呼びます。
■デコンボリューションの用途
① 高度な画像解析:デコンボリューションでは定量精度を維持。高コントラスト画像を必要とする解析に有用です。
② 文書・資料作成:画像やスライドで、細部がより精細になり、美しく見せられます。
③ 共焦点顕微鏡でもS/N比の改善、ダイナミックレンジの改善、画像の階調分解能(コントラスト) の改善、軸分解能の向上に使われます。
APPLICATION
アプリケーション-
粒径分布測定
・金属粒子の数、粒径分布測定
・セラミックス粒子の粒径分布
・最近接の粒子間距離測定
・D50、D90分布測定- Image-Pro11.1 2D
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繊維長測定
・針状繊維の数、幅、長さ、配向度の測定
・毛髪生え際の角度の測定
・交差・分岐した繊維を、個々の繊維に分離して測定
- Image-Pro11.1
- 材料工学プロトコル
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面積率測定
対象エリアの面積率測定
・蛍光画像の染色面積率
・合金材料の組成別含有率
・樹脂材料のフィラー含有率
・電池電極の空隙率測定- Image-Pro11.1 2D
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膜厚測定
電子デバイス、薄膜、メッキ厚測定
・半導体、電子部品の配線の幅測定
・めっき膜や薄膜の膜厚測定- Image-Pro11.1
- 材料工学プロトコル
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金属グレイン測定
金属グレインのASTM粒度測定
・切断パターンには、ASTM粒度解析法で使用する水平線/垂直線の標準パターンを選択可能
・水平/垂直線パターンでは切断線数を設定可能- Image-Pro11.1 2D
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3D解析
・生物系試料のミクロトーム連続断面の3D構築
・神経、血管等の3D表面構造の観察
・細胞内構造の3D分布、体積率測定
・細胞内構造の2点間距離測定- Image-Pro 11.1 3D
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デコンボリューション
蛍光顕微鏡画像
・2Dおよび3D画像のコントラスト改善
・三次元分解能の改善
・3Dレンダリングと視覚化のための改善- Image-Pro 11.1
- AutoQuantモジュール